山行レポート
2004.5.29
 
阿部木谷逍遥

(富山県 魚津市)


   土日は雨の予報。6時半に起きたら、曇っているが雨は降っていない。どうせ降るからと二度寝。8時半に床から出たが、まだ雨の気配がない。なんだそりゃ、朝食後、慌しく山行きの準備をして、車に乗り込む。とりあえず阿部木谷を目指す。谷の状態を見たかった。
 宗次郎谷上の新しい堰堤前に車一台。道はまだ続いているので車を入れたが、山側斜面の崩壊が「新鮮」で、帰りに岩でふさがれるのではという不安があった。心配しながらも標高950mまで行ってしまった。福井ナンバーの軽自動車があって、ちょうど下山したばかりの単独男性がいる。谷は落石だらけだったそうだ。
10:40  「これから(毛勝山)ですか?」と言われながら出発。スタートとしては余りにも遅い。「行けるところまで」と答えておく。頑張れば14時過ぎに着けると計算したが、霧中の山頂に向かっても面白くないだろう。おまけに最終堰堤に着く前に、パラパラとやってくる。こりゃやめだ、せめて大明神沢出合いまでは行くことにする。

 堰堤の先で、徒渉が1回ある。倒木を橋にして濡れずに雪渓に立つことができた。

 板菱の先、いつも雪渓が割れる地点である。まだまだ余裕で通過できる。トレースができているが、信用しないで雪が厚そうなところを選ぶ。
11:10
 大明神沢出合い。30分でここまで来た。上に5人パーティがいるということを聞いていたが、人影はなかった。雨は止み、ぬるい風が谷下へ吹き抜ける。さあ次は二又までという気持ちもあったが、空模様が微妙なのでこれ以上の行動は控えた。
 Uターンして帰るのは簡単だが、暇つぶしに岩を登ろうと思い立つ。右岸の角にある、程よくホールドがついている場所を見つけた。ザックとピッケルを雪渓に置いて取り付く。登攀具はないので、フリークライミングだ。落ちたらベルグシュルンドにすっぽりはまることになる。

 4〜5メートルの高さしかないが、濡れた岩肌とうすく張り付いた泥は手強い。わざわざこんなところで岩登りなんかする必要はないのだが、山の中にいる幸せをかみしめたかったのだ。適当な高さでトラバースして、右手の雪渓に出る。1回では飽き足らず別の岩壁も3メートルほど登ってみる。終わってみれば、山スキーから岩登りへ、やまやろうの気持ちがシフトした。
 あとはゆっくり谷を下る。いつもはサッと通過してしまう場所だが、雑穀谷Aフェースのような壁や、美しい滝を発見したりして有意義なぶらり旅である。当然、落石には神経を尖らせている。
 最終堰堤を見下ろす大岩の上で昼食とする。雪解け水の流れる音だけが響く。落ち着くなあ、本当に山が好きなんです。
12:30  駐車地点に着く。結局、本降りにはならなかった。朝発ちしていれば毛勝に登れたと思うと、ちょっぴり残念だ。
 心配していた道沿い斜面の崩壊はなかったが、往きにはなかった石が幾つも道に転がっている。安全を考えれば、宗次郎谷上の堰堤で車を降りるべきだろう。

 



 

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